支援事例

SUPPORT EXAMPLE

販路開拓支援

商品開発に食品バイヤーの声を活かす

食品バイヤーと行う新商品開発事例

株式会社鈴木屋

大正12年創業の小麦せんべい専門店

株式会社鈴木屋(以下、鈴木屋)は、大正12年に創業した小麦せんべい製造の専門店です。鈴木屋では、消費者の健康や安全に配慮すると同時に、素材本来の味を損なうことなく味わっていただくため、香料や着色料、保存料などの添加物を一切使用しておりません。 このような妥協しない商品づくりから、長きに渡り地元で愛され続け、最近は百貨店や高級志向のスーパーマーケット、生活協同組合などの小売店への卸販売を中心に全国へと販路を広げつつあります。いつの時代も「手間を惜しまず、本物のおせんべいを一枚一枚丁寧につくり上げる」といった伝統を胸に、その技と心にさらなる磨きをかけています。

多くの人が持つ「せんべい」への古いイメージ

「せんべい」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、「昔のお菓子」「お年寄りが食べるもの」ではないでしょうか。洋菓子も含めた菓子業界全体を見ると、商品の種類は多様化し、多くの新商品が開発されていますが、せんべいに絞るとその古いイメージから新商品を開発する企業は多くはなく、さらに事業継承ができず廃業してしまうせんべいの製造企業も増えつつあるのが現状です。 鈴木屋では、このようなせんべいに対する古いイメージを消費者のみならず製造者側も持ち続け、業界全体がそのイメージから抜け出そうとしない状況を懸念し、古いイメージから抜け出せるような商品開発の必要性を感じていました。

食品バイヤーからの声

さらに、販路を県外へと広げるなか、バイヤーから「母親が安心して小さい子どもに食べさせられる小麦せんべいがなかなか見つからない」という声が聞かれました。現在、「あかちゃんせんべい」や「たまごボーロ」といった小さい子ども向けのお菓子はありますが、原材料は米や澱粉が主で、小麦で作られているお菓子はほとんどなく、特に澱粉を使用した小さい子ども向けのお菓子は、歯にくっつきやすく虫歯になることを懸念する母親が多いことも分かりました。また、膨張剤を使用するなど添加物が含まれている商品もあり、母親が安心して我が子に食べさせることができません。

小さい子どもが食べて安心の新商品を開発

これまでも鈴木屋では、子ども向け商品の販売をしてきました。他の商品と同様に添加物は使用せず、さらに可能な限り国内産の良質な原材料を使用し、また子どもが食べやすいよう今までの商品よりも小さいサイズに焼き上げています。口に入れるとミルクの風味がふわっと広がる優しい味で、パッケージも柔らかい雰囲気を醸し出しており、母親が安心して子どもに食べさせられるお菓子です。 しかし今回、鈴木屋では、この自社商品とも差別化ができる新商品開発に挑戦します。バイヤーの意見を取り入れながら、せんべいのサイズや食感に工夫を凝らし、他社には無い、かつ古いイメージからは抜け出した、小さい子ども向けの新商品の開発に取り組みます。

多くの人が求める商品作りを

現在、平成29年秋頃の販売開始を目指して商品開発中ですが、様々なバイヤーに聞き取り調査を行うと、そのような商品を求めていたとの声が多く聞かれました。  今後、小さな子どもを持つ母親に対してモニター調査を行うなど、ブラッシュアップを重ね、商品の完成を目指します。またバリエーションを増やしてシリーズ展開し、さらに自社ホームページ内に特設ページを設けるなどして、事業の柱の一つとして育てていきます。

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