支援事例

SUPPORT EXAMPLE

助言指導支援

農産物を効果的に利用した新たな感覚のスイーツを

原材料調達・加工マッチングによる新商品開発

有限会社清風庵

新しいおかやまの和洋菓子づくり

有限会社清風庵(以下、清風庵)は、昭和20年に和菓子店として創業しました。最近は洋菓子や和洋折衷菓子の開発も数多く手がけ、作州黒甘納豆や清水白桃ジャム等を使用したおかやまロールや、清水白桃ゼリー、おかやま檸檬ケーキなど、岡山県産の農産物を活かした商品製造を心がけています。 おかやまロールは平成20年開催の全国菓子大博覧会にて農林水産大臣賞を受賞。さらに1個数百円する高級プリンのOEM生産を百貨店から依頼されるなど、清風庵は取引先から開発力・技術力・品質管理力に対して高い評価を得ています。

新鮮な食材を効果的に取り入れたい

岡山県に溢れる魅力的な農産物を積極的に商品企画に取り入れてきた清風庵ですが、平成26年9月に農商工連携(※)の認定を得ることで、新たな農産物の発掘と商品開発を目指していくこととなりました。しかし、中小の食品事業者が農産物を加工食品の原材料として取り扱う場合、「乾燥」「カット」「冷凍」「搾汁」といった様々な一次加工が施された状態でなければ商品化しにくいという悩みに直面していました。 「原材料の一次加工を受託してくれる先があれば、理想とする商品をつくることができる。」この課題を解決するためには、食品を製造する過程で必要な加工業者とのマッチングを行う必要に迫られたのです。

乾燥プラントとマッチングにより原材料を加工

清風庵では、牛窓(岡山県瀬戸内市)産の品質の高いレモンピューレを仕入れて「おかやま檸檬ケーキ」として販売していましたが、レモンの見た目をそのままに活かしたスイーツを開発すれば、より消費者への訴求力の高い商品がラインナップできると考えていました。 しかし味はもちろん、見た目も重要視される菓子にとって、美しい見た目をそのまま保った状態を活かした商品開発は容易なものではありません。 そこで、商品化に必要なレモンの乾燥とカットそれぞれが可能な加工プラントを所有する県内事業者に依頼。度重なるテストを経て、清風庵のイメージする商品に利用可能な原材料加工が実現できました。そして、スライスされたレモンをそのまま織り込んだロールケーキ「おかやま檸檬ロール」の商品化に成功しました。

見た目も味も新しい商品

農産物をそのままに使用した菓子は今までも製造していましたが、賞味期限の問題により、ギフト商品や卸向けの商品にはなりにくく、思い描く商品が製造できませんでした。 しかし、農産物に一次加工を施すことによって、ある程度の日持ちのする商品の開発が可能となり、さらに原材料の良さそのままを活かしたレモンロールケーキは、視覚的にも遡及効果が高く、付加価値の高い商品ラインナップを強化することができました。

より良い商品開発のために

今回はスライスされた檸檬の調達に成功しましたが、今後新たに商品開発をする際も、その商品にとってより良い加工状態で調達ができるよう加工プラントを持つ事業者とのマッチングを図っていきます。

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