支援事例

SUPPORT EXAMPLE

事業計画策定支援

本来の価値とこだわりが伝わる商品を作るには

既存商品のブラッシュアップ事例

有限会社醍醐桜

酪農家3代目が開いたジェラート店

真庭市にある有限会社醍醐桜(以下、醍醐桜)では、自社牧場のジャージー乳を使ったジェラートの製造・販売をしています。もともと家業として酪農を営んでいましたが、3代目となる山本英伸さんが家業を継いだ時、「この美味しい牛乳を色々なかたちでもっと多くの人に楽しんでもらいたい」と強く思うようになり、平成20年にジェラート店「醍醐桜」を開きました。 自社牧場で丹精込めて飼育したジャージー牛からとれる牛乳は、風味が豊かで濃厚なコクがありジェラートに最適です。さらにジェラートに混ぜる素材はできる限り地元産の食材を使用するなど、岡山の良いところを詰め込んだ商品作りにこだわっています。

本来の価値を伝えるためには

ジェラート作りを始めて数年、味の良さや品質の高さが話題となりジェラート店「醍醐桜」は地元の人気店になりました。その後、ジェラートをカップアイス化した商品を開発。小売店への卸販売も始まり、地元だけではなく県外の人にもこの美味しさを届けることができるようになりました。 醍醐桜のジェラートは牛の飼育方法からこだわっているため、決して安売りができる商品ではありません。しかし、販売当時は商品が持つ本来の価値を正確に消費者に伝えることができていませんでした。どうすれば自分たちが狙う消費者にこだわりを伝えることができるのか。どうすれば価値を理解してもらい、適正な価格で購入してもらえるのか。商品ブラッシュアップへの挑戦が始まりました。

商品にストーリー性を

まず醍醐桜が行ったことはブランドの確立です。これまで商品自体も店舗名と同じように「醍醐桜」という名前で展開していましたが、自社牧場のジャージー乳と良い素材を使用した商品であることを表現するために、ストーリー性のあるブランド名を検討することになりました。社内で何度も話し合った結果、「愛情を込めて育てたジャージー牛が素敵な素材に出会い、恋をして産まれたジェラート」というストーリーから「恋するジャージー」というブランド名で商品展開をすることに。さらに自社牧場を「山本牧場」と名付けて全面に打ち出し、牧場直営の新鮮で美味しいジャージー乳のイメージが率直に消費者に伝わるよう工夫しました。また、それに合わせて商品のパッケージデザインやパンフレットも一新。さらに通常商品と地元素材に限定したバージョンのプレミアム商品の2つのラインを展開させるなど、醍醐桜のこだわりや価値が伝わりやすいかたちに生まれ変わりました。

「高くても売りたい」と言われる商品に

平成27年2月、「恋するジャージー」と「山本牧場」を謳い文句に首都圏で開催される大規模展示会に出展したところ、過去の出展時を上回るバイヤーからの反応の良さを実感。ネーミングやパッケージが大変好評で、それをきっかけに複数の企業と新たに取り引きを開始することができました。その中には首都圏の高級スーパーも複数あり、新しい客層を取り込むことにも成功しました。さらに、継続して取り引きをしている企業からは「高くても売りたい商品」と言われることもあり、ブランド確立の成功を実感した瞬間となりました。

これからも感動を生み続けていくために

長く消費者に購入し続けてもらうためには、新しい味の展開などを通して驚きや楽しみを感じてもらう必要があります。そこで今年度は、新しいフレーバーとして清水白桃を使用した「プレミアム白桃ジェラート」を開発し、バイヤーからも好評価を得ることができました。さらに、継続的な購入のためには消費者に安全性を伝えることも重要となるため、醍醐桜では○○年よりHACCPの導入に向けた準備に入りました。衛生面にも細心の注意を払い、消費者がより一層安心して食べることができるジェラートを作ります。 これからも醍醐桜は、素材、味、製法など全てにこだわった美味しいジェラートを通して消費者に感動を届け続けます。

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