支援事例

SUPPORT EXAMPLE

事業計画策定支援

これまでにない新しいかたちの豆腐を目指して

他社と差別化を図る商品の開発事例

株式会社早瀬食品

豆腐一筋69年

津山市福井で創業以来69年の長きに渡り、豆腐や揚げを作り続けている株式会社早瀬食品(以下、早瀬食品)。 大豆は全て地元岡山県美作産を、にがりは瀬戸内海産の天然にがりを使用するなど、豆本来のまろやかな甘みと深いコクを出すことができるよう素材にこだわり製造しています。津山市福井という自然豊かで空気と水が綺麗な場所で、季節と気温を熟知した技術を持つ豆腐職人が丁寧に手作りした商品は、地元の方々に愛されながら成長していきました。

乗り越えたい壁

そんな早瀬食品ですが、売り上げの60%を占めているのは小売店のOEM製造です。OEMの受注は安定した売り上げに繋がるというメリットがある一方、その性質上、自社商品と比べてどうしても生まれる利益が少なくなる傾向にあります。そのため会社全体の利益率を上げるためには、自社商品の売り上げを伸ばす必要がありました。しかしながら、自社商品の売り上げを伸ばすためには、地元の方々だけではなく、より広くより多くの方に会社や商品を知ってもらわねばなりません。そのため多くの類似商品がある大豆商品市場で、自社商品を手に取ってもらうために、どのように他社商品との差別化を図るのかという点が大きな課題でした。 さらに、食育の一環で小学生に豆腐の作り方を教える機会があり、そこで聞かれた「豆腐は味が無くて苦手」「全部同じに見える」という子ども達からの声。確かに見た目はどれも似ていますが、本当の豆腐は豆の風味や甘みを持っています。本物の味を子ども達に食べてもらいたい、そんな思いも強く持つようになりました。

見て食べて楽しい新商品を開発

この商品を開発するにあたり、子どもが欲しがり母親が購入するというイメージでメインターゲットは女性に設定。また近年の健康志向の高まりや機能性食品への注目の高さというトレンドにも着目し、子どもたちが安心して食べられることを大切に、添加物などは一切使用せずに製造しています。 商品開発において苦労した点は、甘さをどのように引き出すかということ。当初は砂糖を使用する案もありましたが、今回の商品はデザートではなく、豆腐が持つ大豆の味や風味を大切にすることにこだわったため、甘酒で甘みを出すことに決めました。甘酒の量によって豆腐の固さや食感が変わってしまうため、配合率の調整にも苦労しましたが、何度も試作を重ね、2年という長い年月をかけて新商品「美作大豆こうじ君」が完成しました。

バイヤーからも注目を浴びる商品に

早瀬食品は、首都圏で開催される大規模展示会スーパーマーケット・トレードショー(以降、SMTS)に2年連続で出展しました。1年目は「美作大豆こうじ君」は開発段階であったものの、バイヤーからは「完成したら連絡が欲しい」など好評価。そして2年目となる今年(2017年)は、完成した新商品をバイヤーに紹介することができ、多くの小売店や卸問屋から引き合いがありました。またSMTSで同時に開催されるフード30選に総エントリー871品から岡山県で唯一選出されるなど、商品性の高さは専門家からもお墨付きです。 ※フード30選:SMTSに出展された商品の中からエントリーを受け付け、スーパーマーケットで「買いたい!」と思う商品を毎年30品選出する企画。

こうじ君をシリーズ展開

今回は美作大豆を使用した「美作大豆こうじ君」が完成しましたが、今後は大豆の種類を変えて「こうじ君」のシリーズ展開をしていきます。現在は、青大豆を使用した「青大豆こうじ君」の完成を目指し商品開発中です。興味を持ってくれた方を飽きさせない商品展開をしていくことで、地元はもちろん県外の多くの方に早瀬食品の魅力を伝えていきます。

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