森の生命(いのち)に感謝を捧げる、ジビエレザー活用への挑戦!

はじめまして。「建部獣皮有効活用研究所」の頼本ちひろと申します。

長くて堅苦しい名称ではありますが、その名の通り廃棄されている獣の皮を「ジビエレザー」として活用するため、岡山県建部町を拠点に革製品の製造販売や、ワークショップの開催を通してジビエレザーの魅力を伝える取り組みを行っています。
ジビエレザーとは「ジビエ料理」として食肉に利用された猪や鹿などの皮を、レザー(革)として活用しているもののことです。
4年前から試行錯誤を続け、紆余曲折を経て2019年から本格的に事業としてスタートすることができました。
ジビエレザーの魅力を伝えるものづくりを更に拡大させるため、今回クラウドファンディングに挑戦させていただきます!

活用できれば魅力的な資源になるのに、捨ててしまうのはとても「もったいない」ことなのです。

「ジビエレザーとして活用したい!」
その思いで手探りで活動をつづけるうちに課題がはっきり見えてきました。
穴や傷が付かないように大切に扱うこと
適切な下処理をすること
鞣し加工は熟練の技術と設備を要するため、専門の業者の力が必要なこと

沢山の方のご協力のおかげで一つずつ課題をクリアし、廃棄されている皮を革製品をとして販売するまでの流れを作ることができるようになりました。
鹿や猪の革の特徴を活かしたものづくりも試行錯誤ながら形になってきました。
そして新たな課題が浮き上がりました。鞣し加工に多くの費用が掛かってしまうため、廃棄されている皮のごく一部しか活用できないことです。

「もったいないに光をあてる」建部獣皮有効活用研究所です。

【廃棄物からレザーへ】
約158億円
これは、平成30年度の野生鳥獣による農作物被害総額です。(農林水産省調べ)
野生生物から受ける被害はとても大きく、増えすぎてしまった野生生物への対策が人間の暮らしを守るための課題になっています。
畑を荒らす有害獣として駆除されている鹿や猪。
やむをえず駆除されたとしても、もともとは命ある生き物です。
いただいた命を大切につかうため、最近ではジビエとして食肉利用する動きも増えてきましたが、皮については廃棄処分されることが未だに多いのが現状です。
獣皮は畜産で管理された動物の革とは異なり、個体差や傷、色むらなどが多くみられます。
獣皮の仕入れとしても課題が多いため一般の流通はほとんどありません。
とても扱いにくい野生生物の皮ですが、一般に多く流通されている牛や豚とは違う魅力も沢山あります。
猪革は特徴的なシボがユニークです。毛穴が裏まで貫通しているため通気性が良く、ワイルドなイメージですが手に取るととても軽いです。頑丈でひっかき傷に強いのも野性味あふれています。
鹿革はふわっと柔らかく、しっとりとした風合いです。さらに耐久性もあるため、高級手袋の素材としても使われています。古来日本では武具としても使用されていた歴史ある素材です。

【ジビエレザーの魅力を伝えたい】
岡山県で捕獲された猪や鹿の皮の魅力をもっと多くの方に知ってほしい。
そのためには、たくさんの商品を送り出すための準備が必要です。
原皮から革になるまでの処理や鞣し加工は時間とコストがかかってきます。
1枚の皮を鞣すために1ヶ月から2ヶ月の時間が必要です。
そして10枚から数十枚まとめて依頼する必要がありますが、多くの猟師さんが活動できる期間は11月から2月の間だけと限られています。
建部獣皮有効活用研究所の活動を事業として成り立たせるためには、猟期の間にどれだけの皮を下処理して鞣し加工に出せるか、ということが現在の最大の課題です。
今回のプロジェクトでは皆さんに支援してもらった資金で、廃棄されてる獣皮をできるだけ多く仕入れ、活用させていただきます。
田畑を荒らす困りものとしての鹿や猪の革を魅力的な資源として扱うことで地域に還元し、岡山の新しい魅力として発信していくことを目指します。

【いただいた命に感謝をこめて】
実は数年前までは野生生物を捕獲することについては良く思っていませんでした。
都会で生まれ育った私にとって野生生物は珍しいもので、保護するべき存在だったからです。
獣害対策として捕獲されたとしても大切な命を奪うことには変わりありません。
田畑を守るために増えすぎてしまった野生生物を駆除することが仕方ないとはわかっていても、「かわいそう」と感じていました。
そんな時、人里離れた静かな山奥で一人の老いた猟師のYさんと出会いました。
やせ型で物腰が柔らかなYさんは、どちらかというと読書をしてるほうが似合いそうな雰囲気のおじいさんです。
そんな第一印象のYさんでしたが、日課は「毎日山の中を歩き回って仕掛けた罠を見回ること」でした。
なぜそんなに一生懸命猟をするのか質問すると、落ち葉が積もった渓谷に生える植物を指さしながらつぶやくように教えてくれました。
「あれはとても珍しい植物だから保護しているんだよ。でもね、鹿に見つかると食べ尽くされてしまう。囲いを付けても破られたり飛び越えてしまったりするから…困っているんだよ。」
増えすぎた鹿や猪は山の植物を手あたり次第食べ、人里に降りて田畑を荒らしてしまうということでした。
草はもちろん木の皮まで剥がしてしまうので、山が丸裸になってしまった地域もあるそうです。
ニホンオオカミが絶滅してしまったことで自然界のバランスが崩れ、環境を保つための役割を人間がしなければならないということも教えてくれました。
捕獲した後はどうなるのか、という疑問には静かな口調でこう言いました。
「捕獲したら肉はできるだけ食べるようにしている」
「ちゃんと手をあわせて、いただきます。と言うんですよ。命をいただいたのだから。」
その言葉を聞いた時、自分の考えが浅はかだったことに気が付きました。
現在の日本ではお店に行けば有り余るほどの食材が溢れ、簡単に食物を手にすることができます。
そんな時代の中できちんと手を合わせて、いただいた命を大切にしようとする思いに共感しました。
ただ駆除するだけではなく、自然の循環の一つとして大切な命を扱う。
生きるために他の命をいただいていることを忘れてはいけないと強く感じました。
しかし「皮はどうしても廃棄するしかない」という言葉を聞いた時、思わず「もったいない!」と声に出してしまいました。
加工さえできれば価値があるのに…
「なんとかして使えないだろうか」と、捨てる予定だった鹿の皮を譲ってもらったことから私の挑戦が始まりました。
初めは何もわからずに、猟師の方に教えてもらった方法やインターネットで調べた革鞣しを試しました。
加工には適さない油分や残った肉の欠片をスクレーパーや包丁、竹ベラなどで削ぎ落してみたり、塩で揉んだり、ミョウバンやタンニンに漬け込んでみたり…
なんとか防腐処理までして出来上がったのは、まるでスルメそっくりのパリパリな革。
柔らかい風合いになるまで何時間も、何日もかけて揉み続けましたが、とても満足のいく仕上がりにはなりませんでした。
下処理がうまくいかず鞣し前に腐ってしまったこともあります。
「皮を使うのなんて無理なんだよ」と何人もの人に言われました。
「猪や鹿の革なんか使えないよ」とも言われました。
「バカな遊びをしている」と笑われたこともあります。
でも、あきらめることはできませんでした。
自分の少ない知識と経験だけに頼らず、専門家に相談してみればきっと道は開かれるはず!
そう思った時、ジビエレザーの鞣し加工をしてくれる業者に出会うことができました。
革を綺麗に仕上げるための下処理の方法を学び、適切な扱い方を教えてもらいました。
下処理をするために専用の革包丁も準備し、手に入らない道具は地域の材木屋さんで作成してもらいました。
そしてやっと「革」に生まれ変わらせることができました。
初めは笑いながら見ていた地域の方たちも、毎日のように皮をいじっている姿をみながら
「ようやるなあ」と言って少しづつ応援してくれるようになりました。
現在では地域の猟師の方や、食肉加工施設の方にも協力していただけることとなり、事業として本格的に革製品を作成できる流れを作ることができました。

【建部獣皮有効活用研究所のものづくり】
革を活用するにあたって譲れないこだわりがあります。
「できるだけ環境に負荷をかけないこと」
イノシシや鹿の皮をジビエレザーとして活用する一方で、自然環境が壊れたり、人に悪影響があったりしてはいけません。
革に必要な鞣し処理は自然にも人にも優しい「タンニン鞣し」だけを選択しています。
生の皮をレザーとして使えるようにするためには、防腐処理や風合いを変えるために「鞣し」という処理が必要です。この鞣し処理は様々な方法があり、毒性が高く環境や人体に深刻な問題を起こすものがあります。
流通している革の多くは「クロム鞣し」というもので生産効率が良いため低コストですが、重金属を使用するため毒性が強く、金属アレルギーが起こることもあります。
一方、植物の成分を使用した「タンニン鞣し」は、自然の素材を使っているため環境負荷がかかりにくく、人にもやさしい革です。もちろん金属アレルギーの方でも使用することができます。
古来からある自然な手法のタンニン鞣しは、熟練の革職人さんが手間と時間をかけて仕上げるためどうしてもコストがかかってしまいます。
しかし、胸を張って「良い」といえるものをお届けしたい。
その思いで建部獣皮有効活用研究所では、タンニン鞣しの革のみを取り扱っています。

人にも自然にもやさしいものを。
これが私たちのこだわりです。

【ジビエレザーの革小物】
自然豊かな岡山の魅力を詰め込んだものづくりをしたい、という思いで岡山県産の素材を組み合わせた名刺入れになりました。
ワイルドなシボが魅力のイノシシ革の名刺入れは被せ部分が檜パーツとなっています。
革製品の魅力は使っていくうちに手になじむように変化していくことですが型崩れのように感じてしまう場合もあります。木のパーツを組み合わせたことで特に気になる被せ部分の形状が変化しにくくなりました。繁栄を願うとされる唐草模様に古来は魔よけとして使用された猪の目模様を組み合わせたデザインです。

ナナメなデザインの名刺ケースです。遊び心が詰まったデザインのこちらは、表面はイノシシ革、内側は鹿革で仕立て上げました。
内側ポケットもナナメで開けても楽しいデザインです。

しなやかな手触りの鹿革のストラップキーホルダーは全7色です。
今回のリターン用にシュッと伸びてスムーズに鍵を出し入れできるキーリールと、鍵の持ち手をソフトに包み込むキーカバーのセットもご用意しました。

中に豆を入れて香りを持ち歩くミニチュアサイズのコーヒー袋を作りました。
コーヒーと一緒に楽しんでいただくためだけに作りました。

立岡靴工房コラボの鹿革フルオーダーメイド靴
岡山県岡山市で50年以上の歴史がある老舗、立岡靴工房さんに今回のために作成いただきました。

足に負担のかからないオーダーメイド靴を作成する立岡靴工房さんにて仕立て上げてもらった鹿革の靴は、足をふんわり包み込む夢のような履き心地です。
内側も外側も岡山県産鹿革で、ソール部分も高級仕様にこだわり牛革でのお仕立てです。
ソール部分にお好きな文字や言葉、お名前を入れることも可能です。
傷や穴があることが多いジビエレザーは大きなものを作ろうとするとどうしても状態が良い部分だけを使うことが難しくなりますが、あえて染色やコーティングで誤魔化さずに質の傷や穴が少ない上質な革を厳選して作りました。
細かいパーツに分かれず一枚革で足を包み込むような仕立ては難易度が高いため仕立てには熟練の技術を要します。牛革とは違いとても柔らかいため更に慎重さを要するため、熟練の職人さんの技があってこそ誕生した一足です。
オーダーメイドではなくサイズを聞いてお届けするタイプの紳士靴もご用意させていただきました。
こちらはビジネスシーンでも活躍するブラック、外側は岡山県産鹿革、内側は牛革、ソール部分は扱いやすいラバーソールでのお仕立てです。鹿革の風合いを楽しみつつ、普段お使いの革靴と同じように履いていただける一足です。

~革についてのご注意~
タンニン鞣しの革は、使うごとに艶が出て手に馴染む風合いに変化していく革本来の味わいを楽しむことができます。
※野生生物のジビエレザーの場合は個体ごとの違いが強く現れます。
※牛や豚とも性質が異なるため、扱いもマニュアル通りにはいきません。
素材の状態をそれぞれチェックし、それぞれに必要な手間を加えることで、より愛着をもって使用してもらえる製品になるよう心がけています。
※野生生物の証である傷や穴があることも多いのもジビエレザーの特徴です。商品にする際にはデザインに応じてできるだけ目立たない部分を選んでいますが、それでも細かい傷など入ってしまうことをご了承ください。
一点一点手作業で作成していますため、既製品とは違う味のある仕上がりをお楽しみいただければ幸いです。

プロジェクトに協力してくれた方たち
立岡靴工房 立岡海人さん
岡山県岡山市で50年以上の歴史がある革靴屋の4代目店主である立岡さん。独自の採寸、製造方法によって、紳士靴や婦人靴、ビジネスやフォーマル、カジュアル等イメージに合った一足を作成するオーダーメイドシューズ専門店をされています。丁寧に採寸して作られた靴は足にピッタリと馴染むように、履き心地良く仕立てられます。
今回は紳士靴の作成をご協力いただきました。ジビエレザーの靴の相談をすると、初めての試みではありましたが快く引き受けてくださりました。完成するまで何度も打ち合わせいただき、より良い製品になるよう力を尽くしていただきました。

食猪しん房みなみ 南さん
岡山県新見市にて地域でとれた天然の「美味しい猪肉」を販売されている南さん。適切に処理された猪肉(ぼたん肉)は、純白な脂に臭みのない身で旨味が活きた上質そのものです。部位ごとにカットされたブロック肉、スライス肉の他ソーセージなどの加工品も取り扱っています。
建部獣皮有効活用研究所の活動に賛同するとともに廃棄される獣皮の活用にご協力いただけることとなりました。今回のプロジェクトでは、ご家庭でも手軽に上質なジビエ料理を楽しんでいただける「ぼたんカリー213」をご用意しております。猪肉の甘味とカレーのスパイスが絶妙なハーモニーを醸し出す一品を是非お試しください。

Sunny Day Coffeeさん
岡山県の中央部に位置する建部(たけべ)町で自家焙煎を行う珈琲専門店です。 自然豊かな環境で季節の移ろいを感じながら焙煎されたコーヒーはどれも個性的で選ぶ楽しさまでも味わえます。オリジナルブレンドのコーヒーは「福渡」や「しあわせ橋」など地域の名称をつけたイメージ豊かなネーミングです。
建部獣皮有効活用研究所の活動が本格的に始める前から暖かく応援してくださりました、現在はジビエレザー製品の委託販売先としてご協力いただいております。一緒に何かを作ってみたいという思いでコーヒー袋のミニチュアキーホルダーを作成しました。
今回のプロジェクトではコーヒーと一緒に楽しめるセットをご用意しています。

【TALABO に込めた想い】
タケベ  ラボラトリー
TAkebe + LABOratory
ブランドネーム TALABO(タラボ)は 建部獣⽪有効活⽤研究所の略、つまり建部(たけべ)にある研究所(ラボラトリー)の意味であリますが、もう⼀つ「他」と「コラボレーション」するという意味も込められています。
始まりは一人の猟師さんとの関わりでしたが、活動を続ける中でに本当に沢山の方の協力と応援をいただきました。
本当に沢山の方の協力と応援があって今があります。
自分だけの力では限界がありますが、自分以外の「他」と繋がっていくことで素敵なことが起こる。
そんな思いを込めてTALABOというブランドネームをつけました。
ジビエレザーの魅⼒を伝えるための活動を展開して⾏くとともに、 岡⼭県のほぼ中⼼に位置する建部町から 様々な⼈たちと繋がって⼀緒に岡⼭の魅⼒を広げていく、 そんなブランドの在り⽅を⽬指しています。

メッセージ

夫が岡山市地域おこし協力隊に赴任したことから岡山県建部町に移住後、廃棄される獣皮の活用を目指して建部獣皮有効活用研究所を立ち上げました。 長くて堅苦しい名称ではありますが、その名の通り廃棄されている獣の皮を有効に活用させていただくための試みをしています。 いただいた命を活かすための取り組みとして製品の製造販売のほか、ジビエレザーの魅力を伝えるワークショップ等を行っています。

頼本 ちひろ

リターンについて

【3,000円】リターン不要の方向け 建部獣皮有効活用研究所をちょっぴり応援

【3,000円】ジビエレザーの軽~いブローチ

【3,000円】ジビエ料理をお家で簡単に味わえる!カレーセット

【3,000円】鹿革のストラップキーホルダー

【5,000円】Sunny Day Coffeeのオリジナルブレンドコーヒーと、豆の入るミニチュアキーホルダー

【5,000円】便利なキーホルダーセット

【10,000円】リターン不要の方向け 建部獣皮有効活用研究所をとにかく応援

【10,000円】ジビエレザーのキーケース

【10,000円】季節のアクセサリーセット

【15,000円】ナナメな感じの名刺ケース

【15,000円】自分で何かを作ってみたい方向け!カット鹿革

【25,000円】木とジビエレザーの名刺入れ

【25,000円】早割価格 世界に一つ!あなただけのオリジナル名刺入れ

【30,000円】リターン不要の方向け 建部獣皮有効活用研究所を全力応援

【30,000円】自分で何かを作ってみたい方向け!一枚革

【30,000円】ジビエレザーを使ったワークショップ体験

【50,000円】鞣し前の下処理体験

【89,000円】立岡靴工房コラボ革靴

【160,000円】立岡靴工房のオーダーメイド革靴