支援事例

SUPPORT EXAMPLE

助言指導支援

県産農産物を効果的に取り入れた新感覚のかまぼこを

原材料調達・加工マッチングによる新商品開発

株式会社長谷井商店

おかやまの新しい蒲鉾づくり

長谷井商店は、創業90年、伝統の味と工法を守り続けながら様々な蒲鉾の製造を行ってきました。また、伝統を大切にしつつも、常に新しい驚きと感動を自社製品に追い求める当社の姿勢は、日本人の食に関する嗜好や変化に伴い、その土地ならではの食、地産地消の食、またはインスタ映えのする食などへのニーズに対応し、他にはない商品、ストーリー性のある商品などを企画し続けています。古き良き日本の伝統食品である魚肉練製品業界においても、企業として今の時代の中で存続を図るためには、バイヤーや消費者のニーズに対応した商品の開発を目指して邁進されています。

地域の食材を効果的に取り入れたい

岡山県は気候にも恵まれ、果物に代表される農産物、瀬戸内海の豊富な水産物など、様々なジャンルの食材が豊富に揃う貴重な県であり、その恵まれた食の資源をより消費しやすい魚肉練製品に活用することにより、岡山の食の素晴らしさを手軽に消費者に届けられるとともに、他にはない岡山県ならではの商品、ストーリー性のある商品が製造出来るのではないかと考えました。 そこで、地域の食材を効果的に取り入れ、消費者の求める商品、他にはない商品、その土地が感じられる商品を製造することにより、他社とは違う商品力を前面に押し出した商品企画に取り組むこととなりました。

柑橘系果物を使用した全く新しい感覚の蒲鉾を

岡山フードバレーセンターに原材料の調達と加工を相談した結果、牛窓(岡山県瀬戸内市)には魅力的なレモンが生産されており、県内では主に菓子メーカーがピューレに加工した原材料を活用したスイーツを製造・販売されている実績を把握しました。しかし、蒲鉾等の練り製品に使用する例は少なく、レモンの風味と食感をそのままに活かした蒲鉾を開発すれば、全国的にも珍しく且つ訴求力の高い商品がラインナップできると考えました。 蒲鉾業界の中ではすり身にレモンパウダーを練り込んだ商品を開発した会社はありますが、レモンの食感と見た目を活かした皮だけをすり身に混ぜ込む製法はありませんでした。レモンの皮だけをすり身に混ぜ込むことにより、すり身本来の旨味を味わいながらも、レモンの爽やかな風味が口の中に広がるという相乗効果が生まれると考えたのです。 当初は、全国的にも有数のレモン生産地である広島県産のレモンを使用していましたが、地元産の食材にこだわる当社としては、やはりレモンを県内から調達することにこだわりを求めました。

加工プラントとマッチングによりレモンを加工

原材料の加工については、当社の製造ラインとコストを考慮すると、自社内での一次加工は困難と判断されました。農産物を加工食品の原材料として使用する場合の乾燥や冷凍などの一次加工は、中小の食品関連事業者が内製化できるような設備を有しているケースは希です。 そこで、当社が求めるダイスカットと冷凍加工を委託できる加工プラントについて岡山フードバレーセンターのコーディネーターによりマッチングが行われ、当社が望む状態の原材料が安定的に確保できる道筋が立ちました。

見た目も味も新しい商品

晴れて完成した新商品は、レモンの入った蒲鉾自体が初ともいえる試みなので、今までにない蒲鉾として販売することにより、消費者の関心を引き付けるのではないかと期待されています。包材のデザインもPOPなイメージにすることにより、弊社既存の販売先以外に若い女性や主婦に人気の食材店舗への販売促進を強化し、今までに蒲鉾の購入対象年齢でない20歳代~30歳代の女性へのアプローチも可能と考えています。 この度の商品企画が、岡山商工会議所が運営するブランド事業「おかやま果実」に認定され、また首都圏で開催される大規模展示商談会「スーパーマーケット・トレードショー2018」の岡山県ブースにも出展、当社の努力により更なる販路拡大が期待されています。また、県産の原材料を活用した新商品開発の姿勢がより強固なものとなり、更なる新商品開発のサイクルが加速される好循環を生みはじめています。

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